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YOUTSU GUIDE / 第1章

歩き方と腰痛

「毎日歩いているのに良くならない」の理由。歩幅・股関節・歩く速さから、腰に負担が集まる歩き方を見直します。

「腰痛にはウォーキングがいい」とよく言われます。実際その通りで、慢性的な腰痛に対する歩行は、痛みの軽減・日常生活動作の改善・活動量の向上といった面で有効性が示されています。2024年に報告されたランダム化比較試験(WalkBack Trial)では、歩行を中心とした運動プログラムを続けた方は腰痛の再発が少なかったことも示されました。

ところが当院には、「毎日歩いているのに良くならない」「歩くとかえって腰がつらくなる」という方が数多くいらっしゃいます。この章では、その理由を「歩き方」という切り口から整理していきます。

歩くこと自体ではなく、歩き方に問題があることが多い

「歩いた方がいいと思っているのに、腰がつらくなる」——このご相談はとても多くいただきます。この場合、よくある誤解があります。悪いのは歩くことではなく、歩き方の方だということです。

腰痛のある方の歩行を見ていると、共通点があります。それは体の動きが小さいことです。

歩幅が小さい
足を引きずる(すり足)
上半身が固まっている
股関節がほとんど動いていない

一見すると腰への負担が少なそうに見えますが、実際は逆です。これは負担が分散されていない状態だからです。

本来、歩くときは股関節・体幹・足が連動して動きます。しかし動きが小さいと、腰だけが頑張る状態になります。その結果、筋肉の疲労、同じ場所への負担、痛みの繰り返しにつながっていきます。

ここで大切なのは、「すり足」そのものが悪いわけではないということです。問題は、体を使えていない歩き方になっていること。腰痛があると「痛みを避ける」「怖くて動かさない」という反応から、無意識に動かない歩き方になります。それが回復を遅らせる原因になることがあります。

歩幅が狭くなる本当の理由

「最近、歩く時に歩幅が小さくなった気がする」——そんな感覚はありませんか。研究でも、歩幅の低下は腰痛・前屈み歩行・股関節機能の低下・転倒リスクと関係すると言われています。

特に多い背景が、股関節が後ろへ伸びなくなることです。本来、歩くときは後ろ脚側の股関節がしっかり伸びています。ところが長時間座る生活、デスクワーク、運動不足、小股歩行が続くと、股関節の前面が少しずつ硬くなります。すると後ろへ蹴れなくなり、歩幅が狭くなります。

「体が柔らかい人」でも起きています

開脚ができる、前屈が柔らかい。そういう方でも、股関節が後ろへ伸びないことがあります。股関節の柔軟性は「開く」「前に曲げる」「後ろへ伸ばす」で別々のものだからです。そのため「体は柔らかいのに歩きづらい」という方も少なくありません。

歩幅が狭くなると何が起きるか

  • 前屈み歩行:股関節が伸びないため、上半身を前へ倒して歩く代償が起こります
  • 腰への負担:本来は股関節で行う動きを、腰が代わりに頑張るようになります
  • 膝への負担:股関節が使えないと、膝が代わりに頑張りやすくなります
  • つまずきやすくなる:歩幅の低下は転倒リスクとも関連すると言われています

何もない所でつまずく方へ

つまずきやすいと「足が上がっていないんだ」と思いがちです。もちろんそれも関係しますが、実際には前へ進む力が弱くなっているケースもかなり多くあります。歩幅が狭くなると足が十分前に出にくくなり、足先が地面に引っかかりやすくなるのです。

背景にあるのは、股関節の硬さと、お尻の筋力低下です。お尻の筋肉は「体を支える」「前へ進む」「バランスを取る」ために重要で、ここが弱くなると歩行が不安定になりやすくなります。

なお、つまずかないようにと「つま先を上げなきゃ」と頑張る方もいますが、意識しすぎると腰や太もも前に力が入りすぎることがあります。大切なのは、自然に前へ進める歩き方です。

歩き始めの数十歩が痛いのはなぜか

動き出しだけが痛く、歩いているうちに軽くなる。このタイプの方も多くいらっしゃいます。じっとしている間に筋肉や関節まわりの動きが落ち、再び動かすときに負担がかかっている状態と考えられます。

ここで見分けたいのが、「歩くと楽になる」のか「歩くほどつらくなる」のかという違いです。この違いは原因を絞り込むうえで重要な手がかりになります。歩くと楽になる腰痛については、脊柱管狭窄症のページもあわせてご覧ください。

「歩く量」より「歩く速さ」と「歩き方」

健康のために毎日歩いているのに変化を感じない、という方がいます。理由の一つが歩く強さが足りていない可能性です。

散歩のようなゆっくりした歩行では、血流改善・気分転換・リラックス効果が期待できます。一方、少し息が弾む程度の速さで歩くと、心肺機能の向上・血糖値の改善・内臓脂肪の減少・動脈硬化予防といった効果が高まることが分かっています。最近の研究では「何歩歩いたか」だけでなく「どのくらいの速さで歩いたか」も健康に関係していると報告されています。

おすすめは会話はできるけれど、歌うのは少し難しい程度の速さです。必死に歩く必要はありません。普段の散歩より少しだけ速く歩くイメージで十分な刺激になります。

ただし、速ければ速いほど良いわけではありません。無理をして歩くと、膝への負担、足裏への負担、ふくらはぎの疲労につながることがあります。腰痛や膝痛がある方は「速く歩くこと」よりも「無理なく続けられること」を優先してください。

そして、施術をしていて多く出会うのが「毎日歩いているのに改善しない」という方です。確認すると、歩幅が極端に小さい、股関節がうまく動いていない、体が前かがみになっている、腰ばかり使って歩いている——ということが少なくありません。つまり、歩く量が足りないのではなく、体の使い方の方に問題がある場合があるということです。

まず、これだけやってみてください

色々な運動をする前に、「少しだけ歩幅を広げて歩く」ことから始めてみてください。ポイントは2つだけです。

1
無理に大股にしない。頑張って歩くのは逆効果になることがあります
2
少し後ろへ蹴る意識を持つ。「速く歩こう」ではなく、股関節から前に出る意識です

これだけでも、股関節・お尻の筋肉・歩行姿勢はかなり変わってきます。時間は10〜15分程度から。「ちょっと物足りない」くらいで止めておくのが、続けるコツです。

なお、股関節は単純な柔軟性だけでなく、日常でどう使っているかがかなり重要です。「伸ばす生活」が減ると、徐々に歩幅も小さくなっていきます。ストレッチだけでは変わりにくいのは、そのためです。

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ここまでお読みいただいてありがとうございます。ご自身の腰痛が何と関係しているのかは、実際に体を見せていただかないと分かりません。半田市の末広整体ラボでは、カウンセリングと検査で原因をたどったうえで施術を行っています。→ 腰痛の施術について詳しく見る

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